峯田和伸(銀杏BOYZ)が地元山形に凱旋!舞台挨拶ご報告

この度、日本、台湾、マレーシアの3つの街の年越しの風景を舞台に素直になれずにこじれた恋心たちを描いた『越年 Lovers』の、公開記念舞台挨拶がロケ地となった山形で行われ、本作のキャスト峯田和伸と片原朋子プロデューサーによる舞台挨拶が行われました。

■監督から山形愛あふれるメッセージ
MCの呼びかけに応じて、地元山形の小中の同級生が立ち上げた山辺町発のブランドCOOHEM(コーヘン)の上着を着て登壇した峯田は「寛一役をやりました峯田和伸です。今日はありがとうございます」と一言挨拶。続いて、片原プロデューサーの下に届いた、今回登壇がかなわなかったグオ・チェンディ監督からの「懐かしい山形の皆さん、お元気ですか?(中略)今はまだなかなか旅行にも行けないかと思います。この映画の中で三つの異なる地を旅しながら、主人公たちの恋愛模様を一緒に経験して、楽しんでいただければと願っています。(中略)早く私もまた山形に帰りたいです」という山形への愛があふれるメッセージが紹介されると、峯田が「監督と会いたいですね、あの人優しくて。一回も怒りませんでした、俺の事。このシーンはこうやったらどうですか?と聞くと、面白いです、やってくださいって。全部僕の側に立って、全部尊重してくれて。おかげで自由に演じられました。」と監督の印象を語った。

■山形が舞台の作品への参加は本作が初めて
地元山形で撮影が行われる作品への参加は本作が初めてとなった峯田。出演の経緯について問われると、「すぐにやりたいと思いました。他の県でと言われても無理なので。山形は僕の生まれた場所でもありますし、普段は東京に住んでいますが、マネージャーも山形の同級生なので、普段しゃべっている会話は山形弁なんです。自分のバンドの時も、ライブはそのまま山形弁でしゃべっているんです。映画とかドラマは、台本って標準語じゃないですか。それを一応言ってはいるんですが、頭の中で流れている山形弁を一回標準語に翻訳という作業をしてからセリフを話しているので、二段階なんですね。(標準語は」難しいんですよ。山形弁のセリフはその翻訳作業が要らないので、すごい気持ちが入るというか。「嘘つかないでよ!」というのと、(山形弁の)「嘘つくなず!」というのと、気持ちが全然違いますよね。今回の『越年 Lovers』ではそれができたので、撮影はストレスなく、楽しくできました」オファーを受けた経緯と、山形弁での演技を振り返った。
さらに作中で寛一が恩師を訪ねるシーンに地元で起用された出演者がセリフつきで演じていることについては「あんなに映画でセリフを与えられるってなかなかないことですよね。そういう意味でもすごい面白い映画ですよ。でもちゃんとセリフ言えてますからね。」と峯田が感想を述べると、「作品を観た方に地元劇団の方ですか?と聞かれたこともありました」と片原プロデューサーが明かし、峯田は「あの佇まいはすごいなと思いました。」と山形の地元キャストとの共演についても振り返った。

■同郷で息ぴったりだった橋本マナミとの共演
本作で峯田演じる寛一の幼なじみで初恋相手を演じた橋本マナミの印象を問われると、「本当に優しい人で、お綺麗な人で、本当に楽しかったです、この作品を撮影した去年の2月は。橋本さんは、そのまんま、山形で生まれ育ったまんま東京で自然体で。すごいなと思うんですよね。結婚発表したじゃないですか。その衝撃がすごくて…」と峯田に対し、「今後は峯田さんと共演したい女優さんは増えると思いますよ」と片原プロデューサーがコメントすると笑いが起こった。さらに、「監督は峯田さんと橋本さんの二人がくっついたと思って、橋本さんのご出産を報告したら、「峯田と!?」と言われた」と撮影現場で監督が思わず勘違いをするほど二人の息が合っていたことを片原プロデューサーが明かした。

■山形の美しい雪景色誕生の舞台裏
日本、台湾、マレーシアと3つの国を舞台にした本作。日本を描くにあたり、山形を撮影の舞台に選んだ理由について問われると、「制作にあたり、監督から古い写真館での撮影という希望がありました。日本全国色々なところに写真館がありますが、ネットで山形にも旧西村写真館というのがあるということを知ったことが、山形での撮影のきっかけです」とこの作品の特徴となった山形の雪景色誕生のきっかけを明かした。さらに山形の雪景色と台湾人監督とのコラボレーションについて「作品の中で、画面の半分から下が全部雪で、上が空というシチュエーションで、最後の方で僕と橋本さんの二人がもつれ合って(山形弁で)「行くなず」、「もう行がねえ」とセリフを交わすシーンを、ずっと引きの画角で撮影していて小さく二人が画面にいるというカットがあるのですが、普通だったらもっとセリフを言っている役者の顔にカメラが寄ると思うんです。この作品ではずっと遠い二人を映しているままで、二人が風景と一緒になっていて、それがすごくいいなと思いました。台湾の監督の感覚だなと思いました。山形がおしゃれに見えるというか。子供の時の記憶なんですが、雪は降っていない夜に、雪の小さな結晶がきれいだなと感じて、山形ってきれいだなと思っていたんです。この作品はそういう空気感といったものが映っているなと思いました。雪を見たことがなかった台湾のスタッフが、雪を見て喜んでいたのですが、きれいだからちゃんと撮影しようと思ったんでしょうね」と台湾人監督のグオ・チェンディ監督ならではの山形の風景のとらえ方と、作品に映し出される山形の風景の美しさにについて語った。

■過酷だった!?撮影秘話
マイナス20℃にもなるという蔵王での撮影について、「撮影前に山形樹氷を撮りたいとは言われましたが、台湾の人だと死んでしまうのではないか?という懸念を持っていた」と片原プロデューサーが語ると、「カメラマンのアシスタントが、薄いダウン一枚だけを着ていて、この人死ぬんじゃないかと思いました。」と峯田も語り会場からは笑い声が起こった。
さらに「こたつのお雑煮を食べるシーンが印象的で、さっと撮影は終了する予定だったのですが、ずっと撮影されていましたよね?美術スタッフがもう餅がない!と言っていて…。あれはショックでしたね。峯田さんと橋本さんにすごい量のお餅を食べさせていたから…。」と峯田演じる寛一と橋本演じる碧がようやく再会した直後のシーンについてのエピソードを片原プロデューサーが語ると、「あれは撮り直した分、全部食べてますね。でもおいしかったんですよ。何杯でもイケるなと思って。」と意外にも過酷だった撮影を振り返った。

■映画好きの一人としてメッセージ
最後にメッセージを求められると、片原プロデューサーが「本当に山形では撮影を温かく受け入れていただき、本当に感謝しています。本来なら監督と一緒にここに来て、皆さんにご挨拶をして、作品を観ていただくとしたかったんですが、叶いませんでした。映画の方は12月18日に山形と仙台で先行公開していただき、年を越して1月15日から東京から全国公開ということになりました。コロナの時期を乗り越えて非常に心配な時期もあったのですが、こうやって公開にこぎつけられてうれしく思っています。ぜひ皆さん応援してください。よろしくお願いします」とコメント。
峯田は「世の中がこういう状況で、そういう中にもかかわらず、いまNETFLIXとかAmazonプライムとかパソコンでも観れる中で、劇場まで足を運んで音とスクリーンで映画を観る、足を運んで映画を感じたいというのが僕からするととてもうれしくて、映画館まで映画を観に来てくださってありがとうございます。僕も映画が好きなので、映画が好きな者として嬉しく思います。今日来ていただいて本当にありがとうございました」と『越年 Lovers』の上映に駆け付けた観客に感謝を述べて舞台挨拶は終了した。