映画『越年 Lovers』への著名人コメントが解禁!
コメントを寄せたのは、行定勲監督、篠原哲雄監督、写真家の川島小鳥、エッセイストの犬山紙子ら各界の著名人9人。明治の小説家・岡本かの子の傑作小説を映画化し、雪に包まれた日本の山形、台湾の首都・台北と彰化県の海辺の町、そしてマレーシア・クアラルンプールという魅力的な舞台で繰り広げられる、年越しの風景の中で素直になれずにこじれた恋心を描いた本作。日本パートでは、主役・寛一(峯田和伸-銀杏BOYZ)と地元の幼馴染・碧(橋本マナミ)が美しい山形の雪景色の中で再会。台湾パートには“ピピ”の愛称で日本でも活躍するヤオ・アイニンほか、注目の若手俳優が出演しています。それぞれのこじれた恋心に魅せられた著名人たちのコメントを一挙にご紹介いたします。
行定勲(映画監督)
愛の存在を知ることに派手な物語は必要なく、ただ見つめ合うふたりの眼差しと心に灯る希望があればいいのだとこの映画は教えてくれる。
篠原哲雄(映画監督)
男女のすれ違いの映画は心が震える。台湾、日本、マレーシアのそれぞれの女性たちの意思が強くて心地良い。今なぜ岡本かの子文学の映画化なのかということは重要だ。男たちが女たちの情念に追いつけず、でも女たちは追いついて欲しいと思う話だからか。お互いの思念の越境を描いた「越年」は閉塞感ある今だからこそ観るべきなんだろう!
川島小鳥(写真家)
タイトルを見て、台湾で暮らしていたときの年越しをみんなが「コワーニエン(越年)」と呼んでいたのを思いだした。人が小さな勇気を出す瞬間、自分を越えていく歓び。自分と他人との境界線を越えたいと思う衝動。日常こそ、宝物で溢れている。
犬山紙子(エッセイスト)
理不尽の連続に愛おしさを感じるならそれはきっと恋、そう思わされる
岡本かの子原作の力を、グオ監督が愛おしみながら編んだ三つの街の物語は激しく愛らしかった
関根光才(映画監督)
これは距離についての映画だ。3つの国の地理的距離。80年以上も前の文学との時間的距離。そして何よりも、男と女の、触れそうで触れない心の距離。その距離を、この優れた女性監督はものさしで測るのではなく、自分の手を拡げて測る。まるでそれが、人生を知る最も良い方法だと言わんばかりに。
福岡晃子(作詞作曲家/演奏家)
長い愛のはじまりの多くは、きっとこんな風に、淡くて不恰好で小さな火種だったのかもしれない。
歌詞にしたくなるような恋物語でした。
よしひろまさみち(映画ライター)
年越し=禊ぎ、とは言わないまでも、新しい年を迎えるときは心に刺さった棘を抜くタイミング。国が違ってもそれは同じで、全く違う風景の3つのエピソードのどこかに自分を見出せるはず。
新谷里映(映画コラムニスト)
気持ちを伝えることは難しくて、気持ちを整理することも難しくて、そんな恋や愛にまつわる人生のまだるさが繊細に愛おしく描かれている。気持ちが見える、美しい映画でした。
世武裕子(映画音楽作曲家/演奏家)
思いがけない瞬間に小さく光を放つ恋の始まりとか、ほとんどの人に気づかれる事すらない些細な出来事とか、そういうものこそが人生の美しさだと思う。初冬の青空にふわっと浮いて、どこまでも行けるような気分にさせてもらった。